熊本の工芸 県南・水俣 〜浮浪雲工房〜


熊本の工芸 県南・水俣 〜浮浪雲工房〜

浮浪雲工房入り口に生えていた藍。

ちょっと時間が経ってしまいましたが、先日伺った水俣市袋の「浮浪雲工房」(はぐれぐも工房)さん。

ご主人の金刺さんは、全て自然の素材を使った手漉きの和紙を、

奥さんの宏子さんは綿を栽培し、その綿から糸を紡ぎ染織、その糸や和紙から紡いだ糸で布を織られています。

浮浪雲工房の染織と機織

浮浪雲工房は、育てたり、近隣に自生している自然の素材を使い、一から全て手作業する紙漉きと機械の工房です。

薬品に頼らない昔ながらの技法で、自然と向き合うおふたりの手仕事。

貴重な和綿の畑。

伺ったこの日、お二人は工房近くの畑にて栽培中の綿の手入れ中でした。(突然伺いすみませんでした!)この畑で取れるのは、和綿。(現在オーガニックコットンという名で様々な製品が販売されていますが、これらの製品はほとんどアメリカ綿という種類なのだそう。)

虫除けなども、もちろん人工的な薬品は使われないため、自家製の竹炭から取れる竹酢を除虫剤として散布されていました。

この和綿を収穫し、中の種を外し綿打ちをしたのち、糸が紡がれます。

白い綿ばかりと思っていましたが、茶色いものもあるそうです。

この機械で綿の実から種が外れます。

綿の実から外た種

種が外れた状態

綿打ちされた綿

糸車の車の部分に糸が巻かれると思ってましたが 、左手前に挿された棒に糸が巻かれるのでした。

紡いだ糸は染織されますが、もちろん天然の植物での染織。染料は、栽培された藍や近隣に自生するハゼ、日本茜、など全て天然の素材。

その後機織機にかけ布として織り上がります。布として織るのは綿から紡いだ糸だけでなく、麻や和紙の繊維を紡いだ糸も使われます。

簡単に書きましたがここまでの工程、相当の手間と時間がかかる大変な仕事。染織は染織だけ、織は織だけとする方も多いそうですが、こちらでは和綿を栽培する所からほとんどの過程を手がけられています。

この和綿の栽培、糸紡ぎ、染色、織りを担うのは、奥さんの金刺宏子さんです。

浮浪雲工房の手漉き和紙

ご主人の金刺潤平さんは、手漉きの和紙を製作されます。

天日干しで乾かされる和紙

和紙の原料として知られる、楮(こうぞ)三椏(みつまた)雁皮(がんぴ)はもちろんのこと、金刺さんの和紙の原料は、竹やバナナの木、玉ねぎの皮、熊本ならではの「い草」、また履き古したジーンズ(!)など様々。いろんな和紙を見せていただきましたが、それぞれの個性のある優しい風合いがとても素敵です。

特にい草の繊維は和紙には不向きだったそうですが、様々な研究開発を経て、製紙原料繊維化技術に成功。さらに、い草の脱臭機能やホルムアルデヒド等の有機化合物等の吸着機能が生かし「かみいぐさ アイビーウォール」という壁紙を開発されています。この壁紙は、水俣市の小中学校や施設を始め、全国の事業所や個人宅で利用されています。

金刺さんは、こういった技術により、インドネシア、バリ島、ドイツ、ブラジル、アマゾンなど世界各国でワークショップを開催されたり、技術専門家としてアマゾンに派遣されたりと、ワールドワイドに活躍されています。

こちらの工房で、国内外からのボランティアの受け入れもされているのだそう。

水俣の浮浪雲工房

自然の素材を使い、一から全て手作業。育てたり、近隣に自生している植物を素材とするおふたりの手仕事。

胎児性水俣病の患者と共に1984年から始められた手漉和紙と手織布の浮浪雲工房。人にも環境にも優しい仕事をモットーに、植物の持っている美しさや力を精一杯引き出す事をテーマとして仕事を続けられています。

今回は突然伺ったにも関わらず、本当に沢山のお話を聞かせていただき、たくさんのものを見せていただきました。

水俣の道の駅や熊本市内の伝統工芸館など、様々な場でお二人の作品を手にすることができます。ぜひ手にとってご覧になり、生活に取り入れていただきたいです。

浮浪雲工房

〒864-0034 熊本県水俣市袋42(お出かけの際は HPをご覧になり、ご連絡されて下さい)

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